建学の精神、教育の理念・目的・目標

建学の精神、教育の理念・目的・目標

 高田短期大学を擁する高田学苑は、親鸞聖人を宗祖とする真宗高田派本山専修寺を母体とし、その歴史は、寛保元年(1741)に、専修寺第17世円猷上人が本山において仏教の講義をされたことに始まります。以来、約280年、本学苑は三重県で最も古い歴史をもつ学校です。

 さて、皆さんは今後、各学科でそれぞれに設けられたカリキュラムを2年間修め、必要単位を修得すると、「短期大学士」という「学位」が授与されることになります。「学位」とは、高等教育機関や国家の学術評価機関等において、一定の教育課程を修了した者、またはそれと同等の学術上の能力があると認定された者に授与される栄誉称号のことで、この学位が授与されるということは、短期大学が、単に技能や資格取得のための教育機関ではないことをあらわしています。

 では、短期大学教育の特色とは何でしょうか。それは、自己の人間としての在り方・生き方にかかわる教育、つまり、教養教育を行うことにあります。そして、その教養教育に関して、どのような根本理念に基づいて行うのかを示すのが「建学の精神」であり、「教育の理念」なのです。

 上記のような長い歴史をもつ本学は、「建学の精神」「教育の理念」、そして「教育の目的」「教育の目標」を次のように定めています。

建学の精神 

「仏教精神に基づく人間形成」

 「仏教」は、仏(仏陀 ブッダ)になるための道、つまり「仏道」です。本学では、仏教を開かれた釈尊や真宗の宗祖 親鸞聖人が歩まれた仏道を学ぶことをとおして、人間としての在り方、生き方について考えます。

教育の理念 

「『やわらか心』の社会人の育成」

 建学の精神に基づき、「『やわらか心』の社会人の育成」を教育の理念としています。では「やわらか心」とはどのような心のことでしょうか。

 私たちがものを見るときは、自分のものさしではかって優劣をつけ、好き嫌いを必ず言います。しかし、それは、自分の立場から見た、一方的な見方に過ぎません。すべてのものは、本来、優劣や上下などなく、それぞれがそれぞれの光を放って、光り輝いて存在しています。光り輝くそれらの個性を、「みんなちがって、みんないい」(金子みすゞ)とすべて受け入れることのできる、和らいだおおらかな心、それが「やわらか心」です。

 本学は、このような「やわらか心」をもち、あらゆるいのちの尊厳にうなずくことのできる社会人を育成したいと考えています。

教育の目的 

「高度な専門知識や技術・技能を身につけ、『やわらか心』で地域社会に貢献できる保育者、オフィスワーカー、介護福祉士の育成」

 本学では、「教育基本法」ならびに「学校教育法」にのっとり、本学の建学の精神・教育の理念に基づいて、少子化・子育て困難、超高齢化、そしてIT化が進行する現代社会からの要請にこたえ、高度な専門知識や技術・技能を身につけて「やわらか心」で地域社会に貢献できる保育者、オフィスワーカー、介護福祉士を育成することを教育の目的としています。

教育の目標 

「一人ひとりの学生の学修到達目標への到達の支援」

 上記の「教育の目的」を達成するために、学生一人ひとりが、設定されたカリキュラムの学修に主体的に取り組み、ディプロマ・ポリシーに記した共通到達目標と学科到達目標に到達できるよう全学的に支援することを、本学の教育の目標としています。

 学生の皆さんは、以上のような本学の教育の特色と、各学科それぞれの教育方針を理解し、主体的な学びをとおして、「短期大学士」としての教養と高度な専門知識や技術・技能を身につけ、地域社会からの要請にこたえることのできるやわらか心の社会人へと成長されることを念願しています。