東海林 藍

東海林 藍 助教

【研究室】

2号館3階 B36研究室

【専門分野】

保健学

【担当科目】

ゼミナールⅠ、基礎生活支援技術Ⅱ、介護実習総合演習Ⅳ

【略歴】

東北福祉大学 総合福祉学部 社会福祉学科 卒業

新潟医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科 保健学専攻 修士課程 修了
新潟医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科 医療福祉学専攻 博士後期課程 修了

【学位】

博士(保健学)

【保有資格】

介護福祉士、社会福祉士、一般社団法人フットヘルパー協会フットヘルパー講師、介護教員講習会修了


介護福祉士は可能性に満ち溢れている

社会から求められる介護福祉士

私は介護福祉士ですが、本学で教員になる前は高齢者を中心に訪問で足の爪を切る仕事(フットケア)をしていたという異色の経歴の持ち主です。必ず介護福祉士でなければならない仕事というわけではありませんが、介護福祉士の視点をもって仕事ができていたのは私にとって大きな強みでした。高齢社会の日本において、高齢者を対象とした仕事はたくさんあります。すなわち、介護福祉士の専門性を活かす場がたくさんあるということです。ぜひ、高齢者ケアのプロフェッショナルとして社会で活躍できる人間になってください!

やってみなくちゃわからない!

自分の興味のあること、やってみたいことはどんどん挑戦してみましょう。
頭で考えるだけでは答えは見つかりません。自分の体を動かしてみて初めて気づくことがたくさんあります。
人生で無駄な時間などありません。すべてが自分の学びになるはずです。
失敗を恐れず、レッツチャレンジ!

主な経歴・研究業績

●経歴

 ・平成20年9月~平成25年 3月 有限会社 和幸 温泉デイサービス霞桜の湯 勤務 

 ・平成25年10月~平成28年2月 合同会社グレイス めぐみの家 勤務
 ・平成28年3月~令和2年2月株式会社マザーライク フットケアセンター山形 勤務
 ・令和2年3月~個人事業主
 ・令和6年4月~本学 現在に至る

●著書・学術論文等

・「高齢者施設のフットケアにおける靴の適正使用の重要性」(平成29年12月、日本整形靴技術協会雑誌 2)
老人ホームなどの高齢者施設では,生活全般に関する介護を中心としたケアの提供が行われている.しかしフットケアに関するサービスの提供は必ずしも充実しているとは言えない.実寸よりも大きいサイズの靴を使用し,靴内で足が前滑りすることによって足趾全体が靴のトゥ形状となり爪も変形を呈していた.フットケアを実施し適切な靴使用を援助したところ改善が認められた.
 
・「通所型介護施設利用高齢者の足爪の状態と靴選定の関係性」(平成30年12月、日本整形靴技術協会雑誌 3)
高齢者の靴のサイズ選定に足爪のトラブルが影響を与えているのかを明らかにすることを目的とし,通所介護施設利用者30名(女23,男7),平均年齢88.9±5.8歳の自立歩行可能な者(杖等使用者含む)を対象とし,足型寸法,施設内で使用中の靴サイズ,爪の状態(巻き爪と肥厚)を調査した.高齢 者がかなり大き目の靴を選定している事実と,足爪に問題を抱える高齢者の多さを明らかにするものとなった.
 
・「JIS靴サイズの足囲・足幅サイズ両方から検討する高齢者の靴」(2019年 12月、日本整形靴技術協会雑誌 4,31-34)
靴のJIS規格のサイズ表には足囲と足幅の表記があり両方からサイズを抽出しサイズの検討を行った.検討に際して,高齢者施設において多く使用されているEEサイズのバレーシューズに代表されるスリッポンタイプの靴を使用している高齢者に絞って使用サイズと靴と足の適合の状態を確認した.足囲で抽出したサイズではEEE以上の足は24足中2足しかなく,足幅で抽出すると8足まで増え,足幅から得られるサイズも考慮する必要性が示唆された.
 
・「通所型および入所型高齢者施設における利用者の履物調査」(令和2年12月、日本整形靴技術協会雑誌 5)
高齢者の通所施設(デイサービス)の利用者31名と入居施設(サービス付き高齢者住宅)の利用者30名の現用の履物を調査し,異なる施設形態における違いを考察した.通所施設では「上履きを履く」という認識から靴タイプの履物が使用され,入居施設では生活の場であることから着脱が容易なスリッパ等の履物が使用されているのではないかと推察した.これらの履物は高齢者に最適な履物ではなく履物への意識向上が必要である.
 
・「靴の圧迫による小趾肥厚爪の機序と改善の考察 -フットケアと適切な靴使用によるアプローチ-」(令和2年12月、日本整形靴技術協会雑誌 5)
爪の代表的な役割は指先を保護し把持力を増強させることであり,小趾には歩行時に足の外側から母趾側へ重心を移動させる,足幅を広げバランスをとるなどの重要な役割があり,正常な爪の状態であることは重要である.靴の圧迫による小趾の肥厚爪をケアしたことに加え,適切な靴の使用を指導したことで正常な爪に改善したケースを紹介しながら,靴の内振り設計と内反小趾にも着目して肥厚爪形成について考察した.
 
・「痛みを明確に訴えることができない認知症高齢者のフットケアの重要性」(2021年 12月、日本整形靴技術協会雑誌 6,29-32)
高齢者施設に入所中の認知症を有する高齢者で足の痛みを訴えるも明確に状況を訴えることができず対応に苦慮していたがフットケアと適切な靴の交換を行い,痛みの訴えはなくなり歩行速度の改善もみられた.認知症高齢者は自分の異常を明確に訴えられないという問題があるため,医療・介護スタッフによる全身状態の観察が必要不可欠であり,特に負荷のかかり続けた足部や靴の観察,および爪・足趾などのフットケアが重要であると示唆された. 
 
・「軽度変形性股関節症による脚長差と後脛骨筋腱機能不全に対するパッド調整」(令和4年5月、靴の医学 35(2))
右臼蓋形成不全を指摘され,右変形性膝関節症により積極的な治療対象とならない4mmの脚長差があった.介護職への転職により運動負荷量が増加したため右股関節と左長脚の内果周囲に疼痛を訴えた.脚長差に対する代償動作として左長脚を外反しており,後脛骨筋腱機能不全(PTTD)が疑われた.このため右短脚に踵補高パッドと左長脚に内側ウェッジを設定したところ疼痛は軽快した.
 
・「高齢者介護における臥床から車いす,立位,歩行への移行段階時に選択する最適な靴サイズの推測方法」(令和5年12月、日本整形靴技術協会雑誌8)

足の足長、足幅、足囲を臥床時、車いす使用時、立位時を想定した非加重、半荷重、全荷重の状態で計測した。各状態からの足サイズ変化の回帰式で求め、臥床の状態から立位時の足型寸法を推測する場合、足長と足囲は強い相関が得られ実用になることが判明した。
 
・「在宅高齢者とグループホーム入居者における足爪状態の比較」(令和5年12月、日本整形靴技術協会雑誌8)
在宅高齢者とGHに入所中の高齢者の足爪の長さと、巻き爪の保有率について比較した。在宅では、巻き爪のものは少ないが爪を切りすぎている傾向にあり、GHでは爪が伸びすぎ、巻き爪の保有率も多かった。在宅では、爪切りを自分でできているが、視力の問題や巧緻性動作能力の低下、また爪切りに関する知識不足により爪が短すぎると推測した。しかし、活動量が多いことから巻き爪は少なかったと考えられた。GHでは爪切りは職員が行っており、ケアが行き届いていないことなどが考えられた、また伸び過ぎが巻き爪につながっているとも推測された。
 
・「認知症グルームホームにおける巻き爪発生と靴との関係性」(令和5年12月、日本整形靴技術協会雑誌8)
使用している室内履きのかかと部の足と履物の隙間の長さを計測し、足型と靴内部をトレースをとった。トレースをかかと部の隙間を考慮して重ね合わせ、履物内での足の状態を推測した。これにより、12名中9名が足趾に履物の影響を受けていることが判明した。よって、履物による影響で巻き爪が助長されていることが示唆された。
 
・「高齢者入居施設における最適な足爪の長さを維持することの重要性 ― 施設入居後に巻き爪を作らない・悪化させない爪切り ―」(令和5年12月、日本整形靴技術協会雑誌8)
巻き爪を有する者1名に対し、約1年間にわたり介護保険外サービスによるフットケアを実施し、爪の長さを指先と同程度の長さに継続的に保つことで巻き爪の改善につなげた。介護の現場では爪と皮膚を分ける作業が一般的ではなく、爪と皮膚の境目を判断できず、適切とされる長さよりも長めに切っていることが考えられ、この作業が一般化されることが必要であることが示唆された。

●学会および社会での活動

【社会での活動】
令和2年4月~令和4年3月 第17回日本整形靴技術協会学術集会 実行委員

令和1年6月 宮城県七ヶ宿町社会福祉協議会 地域支援事業/交流支えあい事業 講師
令和1年6月 山形県西川町 令和元年度 西川町高齢者大学 講師
令和2年2月 山形県飯豊町社会福祉協議会 飯豊町「家族介護教室」 講師
令和2年7月 山形県上山市 一般介護予防事業「しゃきっと健康教室」 講師
令和2年8月 山形県大石田町 健康づくり事業「転ばぬ先の杖教室」 講師
令和2年11月 山形県大石田町 介護予防教室 講師
令和4年6月 新潟県加茂 第2回健康づくり講座 講師
令和5年20月 NPO法人 おがちふるさと学校 秋田県湯沢市赤い羽根共同募金公募助成事業 家庭でできる介護実践講座 シリーズ19 講師
 
【学会】 
平成28年2月 日本フットケア足病医学会
平成30年2月 日本整形靴技術協会 
平成31年7月 日本靴医学会 
令和3年5月 日本介護福祉学会 
令和3年7月 日本介護福祉士会
 
【その他】 
令和2年9月 介護人財 Web版 (9・10月) 「高齢者の歩行と靴 」
令和2年7月 介護人財 Web版 (7・8月)  「今すぐできる靴のサイズチェックと履かせ方 」
令和2年5月 介護人財 Web版 (5・6月)  「その靴の選び方で大丈夫? 基本的なサイズの選び方 」